腹圧とは?腹圧の基礎を見える化|教科書では教わらないイメージと感覚をリンク
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- スクワット・デッドリフトで腰を痛めた。
- 高重量で腰が…
- そもそも腹圧ってなんですか?
これから高重量に挑戦する人は、必見の内容です。
なによりケガの対策としても知っておくべき情報になりますので、頭に入れていつでも使える状態にしておきましょう。
1.【腹圧】とは?
左側はフタが開いていない密閉缶で、これを踏んでも缶は潰れません。
これは足で踏んだ重み(力)に対して缶の内圧が高まり、結果缶が変形しないことを意味します。
右側はフタが開いていて中身がない開封缶で、この缶を踏むと即座に変形し潰れてしまいます。
この状態は踏んだ力に対して支える力が缶そのものの構造物の硬さに依存しています(圧力がない状態)。
もちろんスチール缶なら変形はしにくいですが、アルミ缶なら変形しやすいのは想像がつくかと思います。
この図解から理解できるのは、
という点です。
2.腹圧機能メインは2つ
実は腹圧は、非常に重要であるにも関わらず言葉の意味が凄く曖昧に扱われ、かつ軽視されがちなカテゴリーです。
正直すごく勿体無いし、実際自分のトレーニングに活用してからは、変化は著しかったです。
では、
最大の理由は2つあると思います。
- 体幹の剛性化
- 脊柱の座屈による組織の伸張や損傷を防ぐ
剛性(ごうせい、英: stiffness)とは、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと。力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。
座屈とは?
建築などの部材に圧力が加えられたときに、限度を超えると急激に変形が増大する現象。
(図解のような状態)
腹圧もこれと似たような形とイメージしましょう。
それについては、後ほど解説していきます。
そしてここで言っておくことは、
詳しくみていきましょう。
3.腹圧の構成を見える化
腹圧を構成するのは上下2つの空間です。
- 上は胸郭に囲まれた胸腔
- 下は腹壁に囲まれた腹腔です!
それぞれを風船とみなすと、上の風船は呼吸により自在に膨らむ。
下の風船は自在に膨らむことは出来ませんが、
- 上方は、横隔膜
- 前方・側方は腹筋群(内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋・腹横筋)や腹筋筋膜
- 後方は背筋群や胸腰筋膜
- 下は骨盤底筋群
の状況に影響を受けます。
さらに細かく言えば、内臓の中にある内容物の量や内臓脂肪の体積なども厳密に言うと影響してきます。
腹圧と名前ではあるが、実際に圧力を高めているキーマンは胸腔であり、腹腔の周りの腹筋群などの能動的要素などの状況です。
そして腹圧が高まる条件としては…
- 胸腔に沢山の空気が入ること
- 腹腔を四方から圧縮すること(特に前方・側方の能動的要素)
コレを忘れないようにして下さい!コレらはどちらも不随意的でありながら随意的にコントロールすることが出来る要素です。
そしてコレらの条件に影響を及ぼすのが、以下の4つ
- 腹腔を取り巻く組織の硬さ
- 胸腔に入る空気の量
- 腹腔を構成する能動的要素
- バランスの取れた形状
では1つずつ解説します。
4.腹腔を取り巻く組織の硬さ
腹腔というのは、非常に興味深い仕組みになっています。
腹腔を1つの風船(入れ物)として考えると、理解しやすくなります。
例えば、ゴムの厚さの違う風船を3つ用意します。そして同じだけの量空気を入れましょう。
この中で一番腹圧が高まっているのはどの風船でしょうか?
それはもちろん一番ゴムが厚い、硬い風船ですよね?
ここからわかることは、そもそも腹腔を構成する組織が柔らかすぎると内圧が高まりにくいということです。
腹腔を構成する組織が、柔らかすぎても腹圧は高まりにくいし、逆に硬すぎても押すのに力(押す力とは、胸腔が広がり横隔膜が下がる力)が必要となります。
適度な硬さというのが、膨らませやすく圧縮しやすいんですね。
5.胸腔に入る空気の量
ある程度の硬さのある腹腔が存在していれば、あとはそれを四方から圧縮すれば内圧が高まります。
その上部に位置するのが、胸腔となります。
胸腔自体は下方以外が肋骨に囲まれているために、しっかり膨らめば横隔膜を介して腹腔を押し下げます。
その大きく肺を膨らませるために必要なのが、息を吸うことと、Lung Packingです!
Lung Packingとは?
別名舌咽呼吸と言われており特に医療現場で呼吸筋の機能不全がある患者で用いられる呼吸法です。
このLung Packingにより肺活量が向上して、いわば通常呼吸ではありえない限界まで肺を膨らませることが出来るわけです。
イメージはこんな感じです!
とはいえ、まずはしっかり通常の吸気で息を沢山吸えるようにしましょう。
腹圧を高める呼吸のポイントは…
- まず口をすぼめた状態で息を吐き切ります
- そこから鼻で限界まで息を吸います
- さらに口から息を吸います(Lung Packing)
まずはこの方法でしっかり肺を膨らませることを頑張ってみて下さい!
6.腹腔を構成する能動的要素
能動的要素とは?
自分から他者へ働きかけるさまや、他からの働きかけを待たずに自ら行動すること
しっかり息を吸った状態は、横隔膜を介して腹腔の上方を下方へ押す力へと変換されます。
しかし腹腔の上から押された力は、何もしなければ前方や側方、下方へと圧力が逃げてしまいます。
圧力が逃げる方向というのは、より抵抗の少ない方向なので人体では基本的に脊柱がある後方へは逃げにくいと思います。
上からバランスボールに乗ると横に長くなりますよね?あんな感じです。
ここからしっかり腹圧を高めようと思った時に必要なのが、
腹腔の能動的な要素である、腹直筋・内外腹斜筋、場合によっては背筋の同時収縮です。
これがいわゆるブレーシングのテクニックです。
(一般的にブレーシングは、腹圧を高めるテクニックとして用いられますが個人的にはブレーシング単独が腹圧を高めるよりも大事なのは先ほど言ったその前提です。息を全然吸えていない状態で腹筋を固めても、圧力はそれほど高まりませんのでその辺りは勘違いしないようにして下さい!)
そうすることで、腹腔が四方全体から圧縮され腹圧が高まります。
ここまで来ると胸腔も腹腔も内圧が高まった状態となり、横隔膜は下方から胸腔を押そうとします(この状態は胸腔内圧と腹腔内圧が拮抗し合っている状態です)。
胸腔も押されている訳ですから、適切に腹圧が高められた状態は、口から漏れそうになる息を吐き出さないかというせめぎ合いの状態ですね!
ここまで来れば腹圧のほぼ9割は完成ということになります。
7.バランスの取れた形状
では最後に説明するのが、アライメントなどの姿勢や形状の話です。
ここまで説明してきたことが活かせるのかどうかは、このアライメントや姿勢でかなり大きく変化します!
当たり前ですが、身体の前面に大きな風船を2つ抱えれば脊柱は伸展しますよね?
適切に胸腔と腹腔の内圧が高まれば伸展しようとする力が働きます(見た目上伸展していなかったとしても)。
この時に腹筋群が弱いと、オープンシザーズポジションといういわゆる反り腰の姿勢となってしまいせっかくの腹圧が特に前方から抜けた状態となってしまいます。
オープンシザーズポジションとは?
骨盤が前傾し、腰椎が反り、下位肋骨が外旋した姿勢です。
横から見ると開いたハサミのように見えることからこの名前がつきました。
伸展しようとする力を抑え込み、体の中で風船を抱え込むようなイメージで背中を少し丸めましょう
(実際に丸めるといっても、そのようなイメージです図右側)
オープンシザーズのポジションになりやすい理由には、色々考えられるんですが、
- 腰椎の屈曲可動域が低下している(下部背筋群の短縮、腰椎後方軟部組織の伸張性低下)
- 腹筋群の筋パフォーマンス低下
この2つは要チェックが必要になるかと思います。
まあそもそも腰椎を丸めることが苦手な人はこれらの機能的な問題を改善していくと自然と腹圧を高めやすいポジションを作れることも出来ます。
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- そもそも腹圧ってなんですか?
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なによりケガの対策としても知っておくべき情報になりますので、頭に入れていつでも使える状態にしておきましょう。
1.【腹圧】とは?
左側はフタが開いていない密閉缶で、これを踏んでも缶は潰れません。
これは足で踏んだ重み(力)に対して缶の内圧が高まり、結果缶が変形しないことを意味します。
右側はフタが開いていて中身がない開封缶で、この缶を踏むと即座に変形し潰れてしまいます。
この状態は踏んだ力に対して支える力が缶そのものの構造物の硬さに依存しています(圧力がない状態)。
もちろんスチール缶なら変形はしにくいですが、アルミ缶なら変形しやすいのは想像がつくかと思います。
この図解から理解できるのは、
という点です。
2.腹圧機能メインは2つ
実は腹圧は、非常に重要であるにも関わらず言葉の意味が凄く曖昧に扱われ、かつ軽視されがちなカテゴリーです。
正直すごく勿体無いし、実際自分のトレーニングに活用してからは、変化は著しかったです。
では、
最大の理由は2つあると思います。
- 体幹の剛性化
- 脊柱の座屈による組織の伸張や損傷を防ぐ
剛性(ごうせい、英: stiffness)とは、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと。力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。
座屈とは?
建築などの部材に圧力が加えられたときに、限度を超えると急激に変形が増大する現象。
(図解のような状態)
腹圧もこれと似たような形とイメージしましょう。
それについては、後ほど解説していきます。
そしてここで言っておくことは、
詳しくみていきましょう。
3.腹圧の構成を見える化
腹圧を構成するのは上下2つの空間です。
- 上は胸郭に囲まれた胸腔
- 下は腹壁に囲まれた腹腔
それぞれを風船とみなすと、上の風船は呼吸により自在に膨らむ。
下の風船は自在に膨らむことは出来ませんが、
- 上方は、横隔膜
- 前方・側方は腹筋群(内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋・腹横筋)や腹筋筋膜
- 後方は背筋群や胸腰筋膜
- 下は骨盤底筋群
の状況に影響を受けます。
さらに細かく言えば、内臓の中にある内容物の量や内臓脂肪の体積なども厳密に言うと影響してきます。
腹圧と名前ではあるが、実際に圧力を高めているキーマンは胸腔であり、腹腔の周りの腹筋群などの能動的要素などの状況です。
そして腹圧が高まる条件としては…
- 胸腔に沢山の空気が入ること
- 腹腔を四方から圧縮すること(特に前方・側方の能動的要素)
コレを忘れないようにして下さい!コレらはどちらも不随意的でありながら随意的にコントロールすることが出来る要素です。
そしてコレらの条件に影響を及ぼすのが、以下の4つ
- 腹腔を取り巻く組織の硬さ
- 胸腔に入る空気の量
- 腹腔を構成する能動的要素
- バランスの取れた形状
では1つずつ解説します。
4.腹腔を取り巻く組織の硬さ
腹腔というのは、非常に興味深い仕組みになっています。
腹腔を1つの風船(入れ物)として考えると、理解しやすくなります。
例えば、ゴムの厚さの違う風船を3つ用意します。そして同じだけの量空気を入れましょう。
この中で一番腹圧が高まっているのはどの風船でしょうか?
それはもちろん一番ゴムが厚い、硬い風船ですよね?
ここからわかることは、そもそも腹腔を構成する組織が柔らかすぎると内圧が高まりにくいということです。
腹腔を構成する組織が、柔らかすぎても腹圧は高まりにくいし、逆に硬すぎても押すのに力(押す力とは、胸腔が広がり横隔膜が下がる力)が必要となります。
適度な硬さというのが、膨らませやすく圧縮しやすいということです。
5.胸腔に入る空気の量
ある程度の硬さのある腹腔が存在していれば、あとはそれを四方から圧縮すれば内圧が高まります。
その上部に位置するのが、胸腔となります。
胸腔自体は下方以外が肋骨に囲まれているために、しっかり膨らめば横隔膜を介して腹腔を押し下げます。
その大きく肺を膨らませるために必要なのが、息を吸うことと、Lung Packingです。
Lung Packingとは?
別名舌咽呼吸と言われており特に医療現場で呼吸筋の機能不全がある患者で用いられる呼吸法です。
このLung Packingにより肺活量が向上して、いわば通常呼吸ではありえない限界まで肺を膨らませることが出来るわけです。
イメージはこんな感じです!
とはいえ、まずはしっかり通常の吸気で息を沢山吸えるようにしましょう。
腹圧を高める呼吸のポイントは…
- まず口をすぼめた状態で息を吐き切ります
- そこから鼻で限界まで息を吸います
- さらに口から息を吸います(Lung Packing)
まずはこの方法でしっかり肺を膨らませることを頑張ってみて下さい。
6.腹腔を構成する能動的要素
能動的要素とは?
自分から他者へ働きかけるさまや、他からの働きかけを待たずに自ら行動すること
しっかり息を吸った状態は、横隔膜を介して腹腔の上方を下方へ押す力へと変換されます。
しかし腹腔の上から押された力は、何もしなければ前方や側方、下方へと圧力が逃げてしまいます。
圧力が逃げる方向というのは、より抵抗の少ない方向なので人体では基本的に脊柱がある後方へは逃げにくいと思います。
上からバランスボールに乗ると横に長くなりますよね?あんな感じです。
ここからしっかり腹圧を高めようと思った時に必要なのが、
腹腔の能動的な要素である、腹直筋・内外腹斜筋、場合によっては背筋の同時収縮です。
これがいわゆるブレーシングのテクニックです。
(一般的にブレーシングは、腹圧を高めるテクニックとして用いられますが個人的にはブレーシング単独が腹圧を高めるよりも大事なのは先ほど言ったその前提です。息を全然吸えていない状態で腹筋を固めても、圧力はそれほど高まりませんのでその辺りは勘違いしないようにして下さい)
そうすることで、腹腔が四方全体から圧縮され腹圧が高まります。
ここまで来ると胸腔も腹腔も内圧が高まった状態となり、横隔膜は下方から胸腔を押そうとします(この状態は胸腔内圧と腹腔内圧が拮抗し合っている状態です)。
胸腔も押されている訳ですから、適切に腹圧が高められた状態は、口から漏れそうになる息を吐き出さないかというせめぎ合いの状態ですね!
ここまで来れば腹圧のほぼ9割は完成ということになります。
7.バランスの取れた形状
では最後に説明するのが、アライメントなどの姿勢や形状の話です。
ここまで説明してきたことが活かせるのかどうかは、このアライメントや姿勢でかなり大きく変化します。
当たり前ですが、身体の前面に大きな風船を2つ抱えれば脊柱は伸展しますよね?
適切に胸腔と腹腔の内圧が高まれば伸展しようとする力が働きます(見た目上伸展していなかったとしても)。
この時に腹筋群が弱いと、オープンシザーズポジションといういわゆる反り腰の姿勢となってしまいせっかくの腹圧が特に前方から抜けた状態となってしまいます。
オープンシザーズポジションとは?
骨盤が前傾し、腰椎が反り、下位肋骨が外旋した姿勢です。
横から見ると開いたハサミのように見えることからこの名前がつきました。
伸展しようとする力を抑え込み、体の中で風船を抱え込むようなイメージで背中を少し丸めましょう
(実際に丸めるといっても、そのようなイメージです図右側)
オープンシザーズのポジションになりやすい理由には、色々考えられるんですが、
- 腰椎の屈曲可動域が低下している(下部背筋群の短縮、腰椎後方軟部組織の伸張性低下)
- 腹筋群の筋パフォーマンス低下
この2つは要チェックが必要になるかと思います。
まあそもそも腰椎を丸めることが苦手な人はこれらの機能的な問題を改善していくと自然と腹圧を高めやすいポジションを作れることも出来ます。