動作スピードがもたらす筋肥大と筋力の違いの効果|初心者が取り組むべきやり方
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前半に初心者用記事・後半に専門記事を掲載しています。
結論や要点のみを知りたい方は、前半記事だけでもわかる内容になっていますのでご購読ください。
筋トレの動作スピード「速く」or「ゆっくり」?どちらが効果的か?
筋力や筋肉量の向上にはさまざまな要因が影響します。
どれだけの重さを持ち上げるのか?
どれくらいの回数を繰り返すのか?
インターバルの長さなどがその一例です。
そして、もう一つ注目すべき要素が「動作スピード(速度)」です。
本記事では、「筋トレの動作スピードは速い方が良いのか、それともゆっくりが効果的なのか?」というテーマについて探ります。
※「スピード」と「速度」は厳密に言えば異なる概念ですが、ここではその違いにあまりこだわらず、両者を同じ意味で使っています。
結論
科学的な研究や私自身のトレーニング経験を踏まえた結論として、コンセントリック(筋肉が収縮する)局面では「やや速め」に、エキセントリック(筋肉が伸びる)局面では「ややゆっくりめ」が最適であると考えています。
具体的には、
コンセントリックは「1〜2秒以内」
エキセントリックは「1〜2秒以上」を目安にすると良いでしょう。
コンセントリックとエキセントリック
まず、「コンセントリック」と「エキセントリック」というトレーニング用語について簡単に説明します。
トレーニングの基本動作は、重りを「上げる局面」と「下げる局面」に分けられ、
- 上げる部分がコンセントリック
- 下げる部分がエキセントリック
と呼ばれます。
たとえばスクワットでは、
- しゃがんで立ち上がる動作がコンセントリック
- 立ち上がってしゃがむ動作がエキセントリック
動作スピードとトレーニング効果
動作スピード(速度)が筋トレにどのような影響を与えるかについては、いくつかの研究が行われています。2015年にはシステマティックレビューとして、このテーマに関するデータがまとめられました。(下記専門記事に詳細あり)
レビューによると、動作にかける時間が10秒以上の場合、筋肉量の増加効果が薄れる可能性があり、逆に0.5秒から8秒程度ならば効果は同等だとされています。
実際、多くのトレーニングでは、特別なスーパースロートレーニングを除いて、往復にかける時間が10秒を超えることは少ないと言えます。また、0.5秒から8秒という範囲は、個人的に「かなり速く」から「かなりゆっくり」に感じられるでしょう。
トレーニングにおける動作スピードの選び方
「速さ」と「ゆっくりさ」をどうバランスを取るかは、個々のトレーニングスタイルによって異なりますが、一般的に言えることは、動作スピードが速すぎず、遅すぎず、標準的な範囲であれば特に問題はないということです。
ただし、レビューに取り上げられた研究の一部にはいくつかの問題点があり、その後2018年には新たなシステマティックレビューが発表されました。そこでは、上腕二頭筋に関しては速い動作が効果的で、大腿四頭筋に関してはゆっくりした動作が筋肉量の増加に効果があるという結果が出ています。
部位によっては、動作速度による効果が変わる可能性もある。
筋トレの動作スピードの影響
筋肉量の増加において、上腕二頭筋は速い動作が、そして大腿四頭筋はゆっくりした動作が効果的である可能性があります。このように、筋肉の部位によって最適な動作スピードが異なることが示唆されています。
さらに、コンセントリックとエキセントリック局面ごとに動作スピードを分けて考えた研究は少ないのですが、近年では2021年に発表されたシステマティックレビューが注目されています。
この研究によると、
まとめ
結局のところ、動作スピードの理想的な選び方は「コンセントリック局面は速め、エキセントリック局面はゆっくりめ」にすることです。
具体的には、
- コンセントリックで1〜2秒以内
- エキセントリックで1〜2秒以上
を目安にすれば良いでしょう。
このように、スピードに関する考え方を変えることで、トレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。
専門記事①
【参考文献】
Effect of repetition duration during resistance training on muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis
筋力トレーニング中の反復持続時間が筋肥大に与える影響:系統的レビューとメタ分析
反復持続時間、いわゆるトレーニングテンポが筋肥大に及ぼす影響についての研究では、動作速度や特定の収縮フェーズの時間が筋肉の発達に重要な役割を果たすことが明らかにされています。
この研究は、動作テンポに焦点を当てたトレーニングプログラムの設計に役立つ科学的データを提供しています。
主な研究内容
- 動作テンポの種類とその影響
- エキセントリック動作(筋肉が伸びながら負荷を支える動き): ゆっくりとした動作が筋肥大を促進しやすい。
- コンセントリック動作(筋肉が縮みながら負荷を持ち上げる動き): 高速で行うことで神経適応と筋力向上に適している。
この組み合わせは、筋肥大および筋力向上の最適なバランスを提供するとされています。
- テンポの持続時間
- 反復一回あたりの持続時間が 0.5~8秒 まで幅広く検討されましたが、極端に速いまたは遅いテンポは、筋肥大への効果を低減させる可能性が指摘されています。
理想的な範囲は 2~6秒 程度で、これにより適度な負荷と筋緊張の時間を確保できます。
- 負荷との相互作用
遅いテンポでは外部負荷が低くても筋肥大を促す刺激を与えやすく、神経系の疲労を軽減できる一方、速いテンポは高い負荷を効果的に利用できる点がメリットです。これにより、目的に応じたテンポ調整が求められます。
臨床および実践的応用
- トレーニングの目的(筋力向上、筋肥大、神経適応)に応じてテンポを調整することが推奨されます。
- 特に初心者やリハビリ患者では、動作テンポの調整により安全性と効率を両立させたプログラムが可能です。
- パフォーマンス向上を目的とするアスリートの場合、特定の動作テンポが競技パフォーマンスにも影響する可能性があります。
研究の限界
- テンポ以外の要因(例えばトレーニング頻度、負荷の種類、対象者の年齢や性別)が影響するため、テンポだけを単独で評価するのは難しいという課題があります。
結論
動作テンポは筋肥大と筋力向上に大きな影響を与える要素であり、エキセントリックとコンセントリック動作の適切な組み合わせが重要です。特にエキセントリック動作のスローな実施が、筋肥大に効果的であるとの知見が得られています
専門記事②
抵抗運動中の動作テンポが筋力および筋肥大に与える影響
【参考文献】
The Influence of Movement Tempo During Resistance Training on Muscular Strength and Hypertrophy Responses: A Review
筋力トレーニング中の運動テンポが筋力と筋肥大反応に与える影響:レビュー
抵抗運動における動作テンポ(Movement Tempo)は、筋力と筋肥大を目指すトレーニングにおいて重要な変数です。これまでの研究では、運動の強度やボリューム、休憩時間といった変数に焦点を当てる傾向がありましたが、このレビューでは、動作テンポが筋肥大や筋力増加にどのように影響するかを整理し、トレーニングガイドラインの改善に客観的な知見を提供しています。
動作テンポの基本概念
動作テンポとは、1回の繰り返し動作における各フェーズ(エキセントリック=筋を伸ばす動作、コンセントリック=筋を縮める動作)の速度を注意します。
例えば、「3/0/3/0」という表記では、エキセントリックに3秒、コンセントリックに3秒がかかることを示します。
筋肥大に対する影響
- テンポと筋肥大の相関
テンポを調整することで、筋活動時間(Time Under Tension, TUT)が変化し、それが筋肥大に直接影響を与える可能性があります。 3秒のエキセントリック動作)は、筋肥大を促進する効果があることがいくつかの研究で示されています。 特に軽い負荷(50%1RM)でも中程度のテンポを備えることで、高負荷かつ速いテンポ(80%1RM、1秒のエキセントリック)と同程度の筋肥大が得られるとされています。
- 負荷とテンポの相互作用
軽負荷の場合、テンポを遅くすることで筋疲労が増加し、筋肥大効果が向上する可能性があります。これらの結果は、トレーニングの負荷に応じてテンポを調整する重要性を示唆しています。
筋力に対する影響
筋力の増加には、速いテンポ(例: 1 秒のエキセントリックおよびコンセントリック動作)が有効であることが一般的です。これは、動作速度を上げることで筋力発揮の効率が高まるためです。筋肥大を同時に狙う場合、速いテンポと遅いテンポの組み合わせが効果的です。
実践的な発言
- 初心者や中級者: 中程度から遅いテンポ(3秒以上のエキセントリック動作)を推奨。
筋肥大を促進する効果が期待される。 - 上級者: 高負荷のトレーニングに速いテンポを取り入れる方、特定の筋肉群に焦点を当てる場合は遅いテンポを活用する。
今後の課題
現在の研究は、テンポの影響を詳細に評価したものが限られており、全身を対象としたプログラムでのテンポの役割についてはさらなる調査が必要です。についても未解明の部分が多く、これらを考慮した長期的なトレーニングガイドラインの確立が求められます。
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筋トレの動作スピード「速く」or「ゆっくり」?どちらが効果的か?
筋力や筋肉量の向上にはさまざまな要因が影響します。
・どれだけの重さを持ち上げるのか?
・どれくらいの回数を繰り返すのか?
インターバルの長さなどがその一例です。
そして、もう一つ注目すべき要素が
「動作スピード(速度)」です。
本記事では、「筋トレの動作スピードは速い方が良いのか、それともゆっくりが効果的なのか?」というテーマについて探ります。
※「スピード」と「速度」は厳密に言えば異なる概念ですが、ここではその違いにあまりこだわらず、両者を同じ意味で使っています。
結論
科学的な研究や私自身のトレーニング経験を踏まえた結論として、コンセントリック(筋肉が収縮する)局面では「やや速め」に、エキセントリック(筋肉が伸びる)局面では「ややゆっくりめ」が最適であると考えています。
具体的には、
コンセントリックは「1〜2秒以内」
エキセントリックは「1〜2秒以上」を目安にすると良いでしょう。
コンセントリックとエキセントリック
まず、「コンセントリック」と「エキセントリック」というトレーニング用語について簡単に説明します。
トレーニングの基本動作は、重りを「上げる局面」と「下げる局面」に分けられ、
- 上げる部分がコンセントリック
- 下げる部分がエキセントリック
と呼ばれます。
たとえばスクワットでは、
- しゃがんで立ち上がる動作がコンセントリック
- 立ち上がってしゃがむ動作がエキセントリック
動作スピードとトレーニング効果
動作スピード(速度)が筋トレにどのような影響を与えるかについては、いくつかの研究が行われています。
2015年にはシステマティックレビューとして、このテーマに関するデータがまとめられました。(下記専門記事に詳細あり)
レビューによると、動作にかける時間が10秒以上の場合、筋肉量の増加効果が薄れる可能性があり、逆に0.5秒から8秒程度ならば効果は同等だとされています。
実際、多くのトレーニングでは、特別なスーパースロートレーニングを除いて、往復にかける時間が10秒を超えることは少ないと言えます。
また、0.5秒から8秒という範囲は、個人的に「かなり速く」から「かなりゆっくり」に感じられるでしょう。
トレーニングにおける動作スピードの選び方
「速さ」と「ゆっくりさ」をどうバランスを取るかは、個々のトレーニングスタイルによって異なりますが、一般的に言えることは、動作スピードが速すぎず、遅すぎず、標準的な範囲であれば特に問題はないということです。
ただし、レビューに取り上げられた研究の一部にはいくつかの問題点があり、その後2018年には新たなシステマティックレビューが発表されました。
そこでは、上腕二頭筋に関しては速い動作が効果的で、大腿四頭筋に関してはゆっくりした動作が筋肉量の増加に効果があるという結果が出ています。
部位によっては、動作速度による効果が変わる可能性もある。
筋トレの動作スピードの影響
筋肉量の増加において、上腕二頭筋は速い動作が、そして大腿四頭筋はゆっくりした動作が効果的である可能性があります。
このように、筋肉の部位によって最適な動作スピードが異なることが示唆されています。
さらに、コンセントリックとエキセントリック局面ごとに動作スピードを分けて考えた研究は少ないのですが、近年では2021年に発表されたシステマティックレビューが注目されています。
この研究によると、
まとめ
結局のところ、動作スピードの理想的な選び方は「コンセントリック局面は速め、エキセントリック局面はゆっくりめ」にすることです。
具体的には、
- コンセントリックで1〜2秒以内
- エキセントリックで1〜2秒以上
を目安にすれば良いでしょう。
このように、スピードに関する考え方を変えることで、トレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。
専門記事①
【参考文献】
Effect of repetition duration during resistance training on muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis
筋力トレーニング中の反復持続時間が筋肥大に与える影響:系統的レビューとメタ分析
反復持続時間、いわゆるトレーニングテンポが筋肥大に及ぼす影響についての研究では、動作速度や特定の収縮フェーズの時間が筋肉の発達に重要な役割を果たすことが明らかにされています。
この研究は、動作テンポに焦点を当てたトレーニングプログラムの設計に役立つ科学的データを提供しています。
主な研究内容
- 動作テンポの種類とその影響
- エキセントリック動作(筋肉が伸びながら負荷を支える動き):
ゆっくりとした動作が筋肥大を促進しやすい。 - コンセントリック動作(筋肉が縮みながら負荷を持ち上げる動き):
高速で行うことで神経適応と筋力向上に適している。この組み合わせは、筋肥大および筋力向上の最適なバランスを提供するとされています。
- テンポの持続時間
- 反復一回あたりの持続時間が 0.5~8秒 まで幅広く検討されましたが、極端に速いまたは遅いテンポは、筋肥大への効果を低減させる可能性が指摘されています。
理想的な範囲は 2~6秒 程度で、これにより適度な負荷と筋緊張の時間を確保できます。
- 負荷との相互作用
遅いテンポでは外部負荷が低くても筋肥大を促す刺激を与えやすく、神経系の疲労を軽減できる一方、速いテンポは高い負荷を効果的に利用できる点がメリットです。これにより、目的に応じたテンポ調整が求められます。
臨床および実践的応用
- トレーニングの目的(筋力向上、筋肥大、神経適応)に応じてテンポを調整することが推奨されます。
- 特に初心者やリハビリ患者では、動作テンポの調整により安全性と効率を両立させたプログラムが可能です。
- パフォーマンス向上を目的とするアスリートの場合、特定の動作テンポが競技パフォーマンスにも影響する可能性があります。
研究の限界
- テンポ以外の要因(例えばトレーニング頻度、負荷の種類、対象者の年齢や性別)が影響するため、テンポだけを単独で評価するのは難しいという課題があります。
結論
動作テンポは筋肥大と筋力向上に大きな影響を与える要素であり、エキセントリックとコンセントリック動作の適切な組み合わせが重要です。
特にエキセントリック動作のスローな実施が、筋肥大に効果的であるとの知見が得られています
専門記事②
抵抗運動中の動作テンポが筋力および筋肥大に与える影響
【参考文献】
The Influence of Movement Tempo During Resistance Training on Muscular Strength and Hypertrophy Responses: A Review
筋力トレーニング中の運動テンポが筋力と筋肥大反応に与える影響:レビュー
抵抗運動における動作テンポ(Movement Tempo)は、筋力と筋肥大を目指すトレーニングにおいて重要な変数です。
これまでの研究では、運動の強度やボリューム、休憩時間といった変数に焦点を当てる傾向がありましたが、
このレビューでは、動作テンポが筋肥大や筋力増加にどのように影響するかを整理し、トレーニングガイドラインの改善に客観的な知見を提供しています。
動作テンポの基本概念
動作テンポとは、1回の繰り返し動作における各フェーズ(エキセントリック=筋を伸ばす動作、コンセントリック=筋を縮める動作)の速度を注意します。
例えば、「3/0/3/0」という表記では、
エキセントリックに3秒、コンセントリックに3秒がかかることを示します。
筋肥大に対する影響
- テンポと筋肥大の相関
テンポを調整することで、筋活動時間(Time Under Tension, TUT)が変化し、それが筋肥大に直接影響を与える可能性があります。 3秒のエキセントリック動作)は、筋肥大を促進する効果があることがいくつかの研究で示されています。 特に軽い負荷(50%1RM)でも中程度のテンポを備えることで、高負荷かつ速いテンポ(80%1RM、1秒のエキセントリック)と同程度の筋肥大が得られるとされています。
- 負荷とテンポの相互作用
軽負荷の場合、テンポを遅くすることで筋疲労が増加し、筋肥大効果が向上する可能性があります。これらの結果は、トレーニングの負荷に応じてテンポを調整する重要性を示唆しています。
筋力に対する影響
筋力の増加には、速いテンポ(例: 1 秒のエキセントリックおよびコンセントリック動作)が有効であることが一般的です。
これは、動作速度を上げることで筋力発揮の効率が高まるためです。筋肥大を同時に狙う場合、速いテンポと遅いテンポの組み合わせが効果的です。
実践的な発言
- 初心者や中級者: 中程度から遅いテンポ(3秒以上のエキセントリック動作)を推奨。
筋肥大を促進する効果が期待される。 - 上級者: 高負荷のトレーニングに速いテンポを取り入れる方、特定の筋肉群に焦点を当てる場合は遅いテンポを活用する。
今後の課題
現在の研究は、テンポの影響を詳細に評価したものが限られており、全身を対象としたプログラムでのテンポの役割についてはさらなる調査が必要です。についても未解明の部分が多く、これらを考慮した長期的なトレーニングガイドラインの確立が求められます。