出産前に知りたい妊娠中の女性ホルモンの働きと体調・メンタル面の変化について

札幌パーソナルジムMOREです。

よく聞くお声として、妊娠中の悩みの一つである「ホルモン」による体調やメンタルの変化があります。出産を控える上で気をつけなければいけないことが沢山あります。今回は、出産前に事前に知っておくと良い女性ホルモンの働きと体調・メンタル面の変化についてご紹介していきます。

女性ホルモンとは

女性ホルモンは、主にエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、女性の生殖系を中心に様々な生理機能に影響を与えます。

女性ホルモンの役割と働き

これらのホルモンは、

・月経周期の調節
・妊娠の維持
・骨密度の保持
・心血管系の保護など

女性の体の多くの側面に影響を及ぼします。

エストロゲンとプロゲステロンは、妊娠において非常に重要な役割を果たすホルモンです。
以下に、妊娠中の女性が理解しやすいように、これらのホルモンについて説明します。

エストロゲン

エストロゲンは、女性の生殖器官の発達と機能を促進するホルモンです。妊娠中には、エストロゲンが胎盤で産生され、以下のような効果があります。

• 胎児の成長：胎児の正常な発達と成長を支えます。
• 血流の増加：子宮と胎盤への血流を増やし、酸素と栄養素の供給を促進します。
• 乳腺の発達：授乳に必要な乳腺の発達を促します。

プロゲステロン

プロゲステロンは、妊娠を維持するために不可欠なホルモンです。妊娠中のプロゲステロンの主な役割は以下の通りです。

• 子宮の準備：受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くし、柔らかくします。
• 子宮の収縮抑制：子宮の収縮を抑え、妊娠中の流産や早産を防ぎます。
• 免疫システムの調整：母体の免疫システムが胎児を拒絶しないように調整します。

妊娠中は、これらのホルモンがバランスを保ちながら、母体と胎児の健康を守るために連携して働きます。ホルモンのバランスが崩れると、妊娠に関連するさまざまな問題が生じる可能性があるため、定期的な健診でホルモンレベルをチェックすることが重要です。

月経周期で変化する女性ホルモン

月経周期は、女性の生殖システムにおいて、卵巣と子宮の相互作用によって制御されています。
主な女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのレベルが周期的に変動し、以下のような段階で変化します

1. 月経期（Menstrual Phase）:
   • 月経周期の最初の日から始まり、約3〜7日間続きます。
   • 子宮内膜が剥がれ、出血が起こります。
   • エストロゲンとプロゲステロンのレベルは低くなります。
2. 卵胞期（Follicular Phase）:
   • 月経期の終わりから排卵までの期間です（約10〜14日間）。
   • 卵巣の卵胞が成熟し、エストロゲンの分泌が増加します。
   • 子宮内膜が再生されます。
3. 排卵期（Ovulatory Phase）:
   • 卵胞期の中で、卵巣から卵子が放出される時期です。
   • エストロゲンのピークがあり、排卵が起こります。
4. 黄体期（Luteal Phase）:
   • 排卵後の期間で、約10〜14日間続きます。
   • 卵巣の黄体が形成され、プロゲステロンの分泌が増加します。
   • 子宮内膜は厚くなり、着床の準備が整います。
5. 月経前期（Premenstrual Phase）:
   • 黄体期の終わりから月経期の前にかけての期間です。
   • プロゲステロンのレベルが下がり、エストロゲンとのバランスが崩れることでPMS（月経前症候群）の症状が現れることがあります。

これらのホルモンの変動は、月経周期を正常に維持し、妊娠や生殖機能をサポートします。女性は自身の周期を理解し、健康的なライフスタイルを維持することで、ホルモンバランスを整えることが重要です。

女性ホルモンの乱れによる症状と原因

ホルモンのバランスが崩れると、PMS（月経前症候群）、不妊、月経不順などの症状が現れることがあります。

PMS（月経前症候群）とは何ですか？

PMS（月経前症候群）は、月経前の3～10日の間に続く精神的、身体的な症状を指します。月経が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりするもので、日常生活に支障をきたすことがあります。具体的な症状には以下のようなものがあります。

PMSの症状

1. 精神症状:
   • イライラ: 月経前にイライラすることがあります。
   • 気分の落ち込み: 気分が沈んだり、抑うつ的な感情が出ることがあります。
   • 不安感: 不安や緊張が強まることがあります。
   • 怒りっぽい: 怒りっぽくなることがあります。
2. 身体症状:
   • 下腹部の張り・痛み: おなかが張ったり痛んだりすることがあります。
   • 乳房の張り・痛み: 乳房が張ったり痛んだりすることがあります。
   • 頭痛: 頭が痛くなることがあります。
   • 手足のむくみ: 手足がむくむことがあります。

これらの症状は個人差が大きく、200種類ほどもあると言われています。また、精神症状が主体で強い場合は「月経前不快気分障害（PMDD）」と考えられることもあります。PMDDは精神疾患の一つで、日常生活や対人関係にまで影響を及ぼすことがあります。

PMDD（月経前不快気分障害）とは何ですか？

月経前の3～10日の間に続く精神的、身体的な症状が強く出る状態を指します。通常の月経前症候群（PMS）とは異なり、主に精神症状が強く、日常生活に支障をきたすことが特徴です

PMDDの症状

• 感情の起伏が激しい: イライラや怒り、涙もろさなどが増加します。
• 不安感がつきまとう: 不安や緊張が強まります。
• 自己否定感や孤独感が強くなる: 自分を抑えることが難しくなることもあります。
• 死にたいと感じることがある: 重い場合には自殺願望が出ることもあります。
• 衝動的な言動が止められなくなる: 周囲の人との関係が悪化することもあります。

身体症状

• 胸やお腹が張る
• 下痢や便秘
• 片頭痛
• 腰痛
• 疲労感
• 体重増加やむくみなど

これらの症状は、通常のPMSと同じく、月経が始まるとともに緩和していきます。

【詳しくはコチラ】

ホルモンバランスを整える

適切な食事、運動、ストレス管理によって、ホルモンバランスを整えることができます。

健全な食事

• 栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特に女性ホルモンの合成に関わるビタミンやミネラルを摂取することが大切です。ねぎ類や大豆製品、根菜類などを積極的に食事に取り入れてください。
• 食事によってホルモンバランスを整えることができますので、意識的に栄養を摂るようにしましょう。
  

適度な運動

• 運動は血行や代謝を改善し、ホルモンバランスに良い影響を与えます。ヨガやストレッチなど、ゆったりと体を動かすエクササイズがおすすめです。
• デスクワークが続く場合は、1時間に1回ほど立ち上がって伸びをするなど、軽く体を動かすことも自律神経を整える意味でも有効です。

ストレスを最小限に抑える

1. ストレスはホルモンバランスに悪影響を及ぼすことがあります。リラックス法や深呼吸、瞑想などを取り入れて、ストレスを軽減しましょう。
2. 十分な睡眠時間を確保することもストレスを軽減する一環です

これらの方法を実践して、ホルモンバランスを整えて健康な生活を送りましょう。

妊娠中の女性ホルモンの変化

妊娠中は、特にヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）などのホルモンが増加し、妊娠の維持に寄与します。

HCGとは何ですか？

HCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）は、妊娠中に主に胎盤の絨毛組織から産生される糖蛋白質ホルモンです。

Wikipediaより引用

HCGの生理的役割と妊娠における重要性

受精卵が着床し、胎盤が形成され始めると、HCGは大量に分泌されます。

HCGの主な機能は、妊娠初期の卵巣黄体を刺激してプロゲステロンの産生を高めることです。プロゲステロンは子宮内膜を維持し、妊娠を継続するために不可欠なホルモンです。

また、HCGは胎児の性分化作用や母体の甲状腺刺激作用も持っており、妊娠の維持において多角的な役割を果たしています。

HCGの検査と妊娠検査薬

妊娠検査薬は尿中のHCGを検出することで、妊娠の有無を判定します。

HCGは受精卵が着床してから数日で尿中に出始め、市販の一般的な妊娠検査薬は尿中HCG量が50IU/Lを超えると反応するように設計されています。

早期妊娠検査薬は、妊娠の早期発見に役立ちますが、正常妊娠の診断には超音波検査が必要です

着床した時の女性ホルモンの変化

着床時には、hCGの急激な増加が見られ、これが妊娠検査で陽性反応を示す原因となります。

着床と女性ホルモンの関係

受精卵が子宮内膜に着床すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが増えていきます。
これは妊娠を継続しやすくするための重要な変化です。

妊娠初期（妊娠1~4カ月）の女性ホルモン

妊娠初期には、エストロゲンとプロゲステロンが急速に増加し、胎盤の形成と胎児の栄養供給を支えます。

妊娠中期・後期（妊娠5~10カ月）の女性ホルモン

妊娠中期から後期にかけては、ホルモンのレベルが安定し、胎児の成長と母体の準備を促進します。

出産後の女性ホルモンの役割と働き

出産後は、ホルモンのバランスが再び変化し、母乳の分泌や子宮の回復を促します。

出産後の女性ホルモン

赤ちゃんが生まれると、女性ホルモンの分泌量が減少します。

これにより

・抜け毛が増えたり
・肌が荒れ
・精神的不安定

一方、妊娠中から分泌されていたオキシトシンとプロラクチンは、産後も分泌され続けます。
これらは赤ちゃんの授乳にも関与します。

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